大洲市民の皆様へ2028年04月09日


202508笑顔

【親のまなざし、議会に反映!】

子育ては、社会みんなの希望だから!

2014年に結婚し、今では1男2女の父親になりました
朝、小さな手を握って登園・登校する日常
子育ての喜びも、戸惑いも、不安も、すべてが私にとって、かけがえのない経験です

現場のリアルを、市政に届ける!

今、大洲市の現職議員で、私のように未就学児を育てている議員は、残念ながら一人もいません
だからこそ、子どもの熱で仕事を早退したり、公園が安全かどうか気にかけたり、子育て世代が抱える「リアルな声」は、私にしか届けられないと強く感じています
あなたの子育ての悩みは、私の子育ての悩み
私自身が当事者だからこそ、机上の空論ではない、本当に必要な子育て支援策を提案します
子どもたちの笑顔あふれる大洲を、あなたと一緒に創っていきたいのです

2024家族写真冨士山

あの日の恐怖を、二度と誰にも味わわせない!

2018年、西日本豪雨。 あの時、私は政治家であると同時に、1人の夫であり、もうすぐ2人目の父親になる人間でした 
自宅が大規模半壊し、明日への希望が見えない中、妊娠9ヶ月だった妻は体調を崩し、緊急入院
愛する家族を、自分自身の無力さを、そして目の前で崩れていく故郷の姿を、ただ見つめることしかできませんでした 
あの時の絶望、恐怖、そして悔しさは、今も鮮明に心に残っています 

政治家ではなく、「被災者」として!

当時の大洲市現職議員で、私のように自宅が被災した議員は、わずか3人だけです 
だからこそ、私はただの「政治家」としてではなく、「被災者」としての切実な声を市政に届け続ける責任があると考えています 
・避難所での不安
・家を失った人たちの途方に暮れる顔
・慣れない手続きの煩雑さ 
机上の空論ではない、被災者の立場に立った本当の復興・防災政策を、私は誰よりも強く、そして熱く訴え続けます 
あの日の悲劇を繰り返さないために。 あなたと、あなたの大切な家族を、災害から守り抜くために!


中野ひろし プロフィール 詳細版2028年04月08日

1. はじめに

本稿は、私がどのような経験を経て政治家となり、どのような信念で活動してきたかをまとめたものです。政治や地域社会に関心を持つ方々に、現場での実体験や課題意識、そして変革への思いを伝えることを目的としています。

喜多幼稚園入園

2. 幼少期・家業での経験

1973年7月、大洲市常磐町に生まれました。家族はアイスクリームの卸売業と食料品店を営んでおり、私はその長男として育ちました。幼少期は大洲乳児保育所、喜多保育所、喜多幼稚園を経て、1980年に大洲市立喜多小学校へ入学。当時は団塊ジュニア世代で、児童数1,100名を超える南予一のマンモス校でした。1982年、家業の拡大に伴い東大洲へ転居しました。

3. 学生時代の学びと挫折

1986年、大洲市立大洲北中学校に進学。家業が最盛期を迎え、学校よりも家の手伝いに多くの時間を費やしました。父の運転する冷凍配達車で各地を回り、夜は松下寿電子大洲工場の売店で自動販売機の補充も担当。これらの経験を通じて、商売の現場や地域の地理を学びました。

1989年、愛媛県立大洲高等学校普通科に入学。中学時代は勉強に自信がありましたが、高校では授業についていけず、2学期から卒業まで非選抜クラス(バラ組)となりました。しかし、クラス室長には7回連続で選ばれ、教員との交渉力を身につけました。高校3年時には校則緩和運動に挑戦するも、挫折を経験します


1995パキスタン国境


4. 大学時代の海外体験と地元への思い

高校卒業後、地元を見つめ直すため県外進学を希望。両親の反対を説得し、広島市の予備校で寮生活を送り、1年の浪人を経て同志社大学経済学部に入学しました。大学では「20代の感性で世界を体験しろ」という教授の言葉に刺激を受け、長期休暇ごとに中国、モンゴル、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、インドなど十数カ国を一人旅しました。当時は円高で海外旅行がしやすい時代でしたが、旅を重ねるほど自分のルーツである大洲への思いが強くなりました。インド・カルカッタでマザー・テレサのミサに参加し、「まずは隣人に尽くしてください」という言葉に深く感銘を受けました。

22歳のとき、偶然テレビで「男はつらいよ 寅次郎と殿様」を見て、見慣れた大洲の風景の美しさに感動し、卒業後は地元で頑張ろうと決意しました。

チベット自治区のヤルンツァンポ川にて

5. 就職活動と帰郷、政治への目覚め

就職活動では愛媛県の地方銀行から内定を得ましたが、海外放浪の影響で卒業単位が足りず1年留年。内定は取り消され、「就職していないのにクビになった男」と友人にからかわれました。1999年、金融機関の破綻が相次ぐ就職氷河期の中、大学卒業後に大洲市へ帰郷。家業を手伝いながら、社会福祉法人の非常勤職員やメーカーの大洲駐在員として働きました。

ちょうどその頃、大洲市では山鳥坂ダム建設中予分水問題を巡る住民投票条例請求運動が盛り上がっていました。私は「住民投票条例制定の請求」に共感し、初めて政治的な運動に参加。有効署名が有権者の6割を超え、市議会に直接請求されましたが、条例案は否決されました。当時の議員の「不満なら市議選に出馬を」という発言に納得し、自ら立候補を意識するようになりました。


2002初当選


6. 初めての選挙と当選までの道のり

議会について調べると情報がほとんどなく、「自分が議会に入れば情報公開を進められる」と考え、立候補を決意。2002年5月に会社を退職し、9月の市議選に向けて政治活動を開始しました。当時は政治とお金のスキャンダルが相次ぎ、政治へのイメージが悪化していました。私は「お金のかからない選挙」を信念とし、寄付やカンパで費用をまかない、豪華なパンフレットやスタッフを使わず、徹底した歳出削減を実践しました。

選挙戦では、最初の街頭演説で失敗し、2日間は市民へのヒアリングに徹しました。市民の声を聞く中で訴えるべき内容が明確になり、4日目の演説で初めて拍手をもらいました。最終的に30人中20位で初当選し、当時愛媛県内最年少の市議となりました。選挙費用は約30万円と破格の低さでしたが、従来の選挙慣行に反し、批判も受けました。

2005大洲市議選


2003北海道


7. 議員としての活動と信念

当選後、生活も周囲の反応も一変。選挙事務所には多くの取材が入り、お祝いの品も届きましたが、「これが腐敗の元凶」と直感し、すべて返却しました。市役所では職員が一斉に起立し、権力の重さを実感。「権力は人を狂わせる」と感じ、以後は通路の端を歩くことを習慣としています。

最初の3期9年間は会派に属さず一人で活動。4期目からは「政策実現のために仲間を作ることも大切」と考え、新会派「自由クラブ」に参加し、2023年からは代表を務めています。


2009四国若手議員の会


8. 情報発信の取り組み

政治を志した時から情報公開と発信を重視し、WEBサイトやSNSを積極的に活用してきました。主な情報発信の歩みは以下の通りです。

・2002年7月 WEBサイト開設
・2005年9月 WEBLOG開設
・2009年9月 iPhone3gs導入
・2009年11月 Twitter利用開始
・2011年1月 Facebook利用開始
・2012年 LINE利用開始
・2016年3月 Instagram利用開始
・2021年4月 YouTubeチャンネル「中野ひろしTV」開設
・2022年3月 公式LINEアカウント開設
・2022年8月 TikTokアカウント開設

現在はYouTube、Instagram、公式LINEに注力。YouTubeは開設4年で登録者2,400人、動画2,400本超を配信し、ショート動画やライブ配信も継続しています。

9. 家庭と社会課題への取り組み

2014年に結婚し、2015年、2018年、2021年に1男2女を授かりました。少子化や子育て支援が社会的テーマとなる中、現職議員で小学生や未就学児を育てているのは私だけです。実態に即した子育て支援策の提案に力を入れています。

10. 防災・減災への思い

2018年の西日本豪雨で自宅が大規模半壊し、初めて「被災者」となりました。当時、妻は妊娠9ヶ月で体調を崩し、緊急入院も経験。現職議員で自宅被災を経験したのは3名のみで、被災者の立場に立った復興・防災政策にも積極的に取り組んでいます。

11. 街頭演説と市民との対話

選挙時以外にも街頭演説を行ったのは大洲で初めてでした。2004年の市長選前哨戦をきっかけに、以後20年以上、4,500回を超える街頭演説を継続。市民の声を直接聞き、対話を重視する政治スタイルを貫いています。

12. おわりに:今後への決意

これまでの経験を通じて、当事者の声を聞き、情報公開と対話を重視する政治を実践してきました。今後も変わらぬ信念で、地域社会の課題解決と新しい選択肢の提示に取り組んでいきます。

大洲市議会議員政治倫理条例の制定に向けた協議(第1回)について2026年06月26日


自由クラブメンバー

大洲市議会議員政治倫理条例の制定に向けた協議(第1回)について


【6月25日 議会運営委員会レポート】

6月25日、大洲市議会議会運営委員会において大洲市議会議員政治倫理条例の制定に向けた調査研究について協議が行われました。

今回は、全国及び愛媛県内の政治倫理条例の制定状況と今後の条例策定スケジュール案について説明があり、委員間で質疑と意見交換が行われました。

今回の協議は、元市議会議員の逮捕・辞職という重い事態を受け、大洲市議会として政治倫理の確立と信頼回復にどう取り組むかを具体的に進めるものです。

 

【全国・県内の状況】

全国市議会議長会の調査では、全国の市及び特別区815自治体のうち、政治倫理条例を制定している自治体は428自治体、約52.5%との説明がありました。

また愛媛県内でも、宇和島市、八幡浜市、伊予市、四国中央市、西予市、東温市などが、既に政治倫理に関する条例を制定しています。

一方、大洲市議会には現在、議員政治倫理条例はありません。
これまでは「大洲市議会基本条例」と平成17年に議決された「大洲市議会議員の政治倫理に関する決議」に基づいて対応してきました。

 

【今後の進め方】

事務局からは、令和8年12月定例会での条例制定を目標とするスケジュール案が示されました。

今後は7月に条例に規定する項目や構成を協議し、その後、政治倫理基準、理事者との意見交換、条例素案、逐条解説などについて検討を進める予定です。

条例の素案がまとまった段階では、全議員に報告し意見を伺う流れも想定されています。

 

【主な論点】

今回の協議では、主に次の点が論点となりました。

まず条例にどの項目を盛り込むかです。
政治倫理基準、審査請求、政治倫理審査会の設置、審査結果の公表、違反があった場合の措置などについて、他自治体の事例を参考に検討していくことになります。

次に資産公開の扱いです。
すべての議員に毎年資産公開を求めるのか、必要な場合に審査会が資産報告書等の提出を求める形にするのか、今後の重要な検討事項です。

また平成17年の「大洲市議会議員の政治倫理に関する決議」と新たに制定する条例との関係も整理が必要です。
決議の内容を条例にどう位置づけるのか、制度上の混乱を避けるためにも丁寧な検討が求められます。

さらに条例本体だけでなく、施行規則や逐条解説もあわせて検討する必要があるとの指摘もありました。
実効性のある制度にするためには、運用面まで見据えた設計が必要です。

 

【私の考え】

今回の協議を確認し、大洲市議会として政治倫理条例の制定に向けた具体的な作業が始まったと受け止めています。

今回の事件を受け、市民の皆さまの中には、大洲市議会に対する不信感や不安があると思います。だからこそ、必要なのは言葉だけの反省ではありません。

議員として守るべき基準を明確にすること。
疑義が生じた場合の審査の仕組みを整えること。
必要な場合には説明責任を果たす制度をつくること。

これらを条例として形にしていくことが重要です。

一方で平成17年9月の「大洲市議会議員の政治倫理に関する決議」については取り扱いに注意が必要だと考えています。

この決議は市町村合併後初の市長選挙後のしこりや議員の在任特例をめぐって議会が大きく混乱していた時期に、市議会議員選挙の直前、十分な議論を尽くしきれないまま賛成多数で議決されたものです。

もちろん、政治倫理の確立を求めた決議の趣旨そのものは重く受け止めるべきです。

ただし新たに条例を制定するのであれば、当時の経緯と新市発足後21年間のあゆみを踏まえた上で、過去の決議をそのまま機械的に引き写すのではなく、現在の大洲市議会にふさわしい制度として再整理する必要があります。

もちろん、条例をつくれば終わりではありません。
大切なのは、実効性のある内容にすること。
そして、議会自身がその条例をきちんと運用することです。

大洲市議会基本条例には、市民に開かれ、より信頼される議会を目指す理念が掲げられています。

今回の政治倫理条例の制定は、その理念を具体化する重要な取り組みです。

自由クラブ会派長として、また大洲市議会の一員として、市民の皆さまの信頼回復につながる条例となるよう、引き続き責任を持って議論に臨んでまいります。

【大洲市議会の信頼回復に向けて】2026年06月25日


202606中野ひろし

     【大洲市議会の信頼回復に向けて】

6月定例会終了にあたり、市民の皆さまへ私(自由クラブ会派長)の考えをご報告します。

6月定例会では、元市議会議員の逮捕・辞職という極めて重い事態を受け、大洲市議会の信頼回復と政治倫理の確立について議論を重ねてまいりました。

私自身、市民の皆さまが抱いておられる不安や失望を重く受け止めています。

「議会はどうなっているのか」
「これは氷山の一角ではないのか」
「政治家は結局同じではないのか」

そうした厳しい声があることも十分承知しています。
大洲市議会は議会として信頼回復にどう向き合うべきか、協議を重ねてまいりました。
その結果、政治倫理条例の制定に全会派で協力して取り組むことになりました。

自由クラブとしても、政治倫理条例を検討する議会運営委員会に、委員及び委員外議員として出席し、発言機会と資料共有をいただきながら、条例づくりに関わることになりました。
実効性ある制度づくりに責任を持って関わることが、今最も重要であると判断しています。

今回の問題は、誰か一人の問題として終わらせてはなりません。
再発防止のために何が必要か。
議会と行政の関係をどう整理するのか。
市民の信頼を取り戻すために、どのような仕組みを作るのか。
議論はこれからが本番です。

私はこれからも、市民目線を忘れることなく、政治倫理条例の制定と議会改革に全力で取り組んでまいります。

信頼を失うのは一瞬です。
しかし、信頼を取り戻すには長い時間と不断の努力が必要です。

だからこそ、一つ一つの議論を積み重ねながら、「見える議会、届く政治。」の実現に向けて取り組んでまいります。

                                 大洲市議会議員
                                 自由クラブ会派長
                                      中野寛之

2026年令和8年6月18日 厚生文教委員会審査の報告2026年06月18日

令和8年6月18日 厚生文教委員会の報告



【文教・厚生部門の審査と主な質疑について】

6月18日、厚生文教委員会が開催され、委員長として議事進行を行いました。

今回の委員会では、前半に文教部門、後半に厚生部門の議案審査を行い、教育、学校給食、部活動の地域展開、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療、病院事業、子育て支援など、幅広い分野について質疑が行われました。

委員会に付託された議案については、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり承認・可決すべきものと決定しました。

以下、主な質疑応答を中心に報告します。



【文教部門の審査について】

文教部門では、主に教育費補正予算について説明がありました。

主な内容は、4月1日付の人事異動に伴う人件費の調整、部活動指導員配置事業、中学校給食無償化に伴う財源振替、学校給食センター維持管理運営事業に係る債務負担行為の追加です。



【学校給食センターの次期運営について】

学校給食センターについては、現在のPFI事業が令和9年3月末で終了することから、令和9年度から令和18年度までの10年間、長期包括的民間委託方式へ移行するための債務負担行為が提案されました。

委員からは、現在のPFI方式と次期方式の違いについて質疑がありました。

執行部からは、現在のPFIは建設、維持管理、調理、配送、洗浄までを一括して行うものだったが、次期事業では建物はすでに整備済みであるため、維持管理と調理・配送等が中心になるとの説明がありました。

また、次期事業者の選定については、入札ではなく公募型プロポーザル方式により、提案内容を審査して決定するとの答弁がありました。

学校給食は、子どもの命と健康に直結する重要な事業です。そのため、委員からは「安ければよいというものではない」「現在の事業者や従業員が培ってきたノウハウをどう継続するのか」といった指摘がありました。

これに対し執行部からは、現在のPFI事業は成功事例と認識しており、要求水準書に地元雇用の継続を明記し、現在の従業員が引き続き就労できるよう配慮するとの答弁がありました。

児童生徒数が減少する中で、今後10年間の維持管理費をどのように積算したのかという質疑もありました。

執行部からは、食数が減少しても建物の維持管理費は大きく変わらず、調理業務も極端には減らないことから、これまでの事業費を参考に今後10年間の事業費を算定したとの説明がありました。



【部活動指導員配置事業について】

中学校部活動の地域展開に向け、平日に部活動指導員を配置する事業についても質疑が行われました。

執行部からは、競技経験がない、または経験の浅い顧問教員を、専門的知識や技術指導を持つ指導員が支援するものであり、指導員は会計年度任用職員として雇用するとの説明がありました。

開始時期については、議決後、7月1日からの採用を目指すとのことでした。

委員からは、指導員が指導している間、顧問教員はどのように関わるのか、生徒の安全や保険はどうなるのか、学校教育としての位置づけをどう担保するのか、といった質疑がありました。

執行部からは、指導員が単独で指導する場合もあるが、教員と一緒に活動する場合もあり、柔軟に対応するとの答弁がありました。

安全面については、学校の部活動として実施するため、児童生徒は従来どおり日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度に準じるとのことでした。

また、部活動は教育課程外の学校教育活動として位置づけられるものであり、愛媛県教育委員会の部活動運営ガイドラインに基づき、体罰・ハラスメントの禁止、外部指導者の立場などを踏まえて運営するとの説明がありました。

新しい取り組みであるからこそ、指導する側も、受ける側も不安があると思います。子どもたちが健やかに成長できる環境を第一に、丁寧に進めていただきたいと感じました。



【不登校の状況について】

その他事項では、不登校児童生徒数の状況について質疑がありました。

執行部からは、令和元年度34人、令和2年度38人、令和3年度36人と30人台で推移していたものが、令和4年度に64人、令和5年度に74人となり、その後も70人台後半で推移しているため「高止まり」と表現しているとの説明がありました。

不登校の要因については、個々の児童生徒や学年によって状況が異なるため、一概に断定することは難しいとの見解でした。

一方で、全国や愛媛県と比べると、大洲市の出現割合は低い水準にあり、各学校での取り組みが一定程度機能しているものと考えたいとの答弁もありました。

校内サポーター等の効果については、各学校において存在は大きく、人がつくことで子どもとの関わりが大きく変わるとの説明がありました。



【私からの質疑① しろしたテラスのフリーWi-Fi整備について】

文教部門のその他事項では、私からしろしたテラスのフリーWi-Fi整備について質問しました。

しろしたテラスは、観光客の利用も多く、肱川や大洲城を望む景観にも恵まれた場所です。写真や動画を撮影し、SNS等で発信する利用者も多いと考えられます。

一方で、現状ではしろしたテラス側にフリーWi-Fiが整備されていません。

そこで私は、観光客の利便性向上や情報発信の面から、フリーWi-Fiの整備が必要ではないかと質問しました。

執行部からは、しろしたセンターは肱南コミュニティセンターとしろしたテラスの複合施設であり、コミュニティセンター側には無料Wi-Fiが整備されているものの、しろしたテラス側は未整備であるとの説明がありました。

これまではカヌー体験などのアクティビティ拠点として位置づけていたため、Wi-Fi整備は検討していなかったとのことでしたが、利用者ニーズを踏まえ、次回の指定管理の見直し時に前向きに検討するとの答弁がありました。

観光地における通信環境は、単なる利便性の問題にとどまりません。訪れた人がその場で写真や動画を発信することは、大洲の魅力発信にもつながります。今後の検討を注視していきます。



【私からの質疑② 文化部活動、特に吹奏楽部の地域展開について】

部活動の地域展開については、運動部だけでなく文化部も重要です。

私は、先般、委員会視察で訪問した秋田県大館市の事例を踏まえ、特に吹奏楽部の地域展開について質問しました。

大館市では、元音楽教員が教育委員会に入り、現場の音楽教員と教育委員会をつなぐコーディネーターとして機能していました。その方は吹奏楽連盟の役職も務めており、現場を理解したうえで、教員、地域、行政をつなぐ役割を担っていました。

私は、このようなコーディネーターの存在が、文化部活動の地域展開では非常に重要ではないかと指摘し、大洲市としての考えを確認しました。

執行部からは、文化部活動の地域展開には、指導者の確保、活動場所の確保、運営資金、移動手段などの課題があるとの答弁がありました。

その中でも、総括的なコーディネーターの必要性は感じているとのことでした。

また、市内中学校の音楽教員に個別ヒアリングを行った結果、教員には関わりたい気持ちがある一方で、自分の生活を優先したいという思いも強く、現職教員がコーディネーターを担うことには大きな負担感があるとの説明がありました。

そのため、教職員OBなどが適任ではないかとの見解が示されました。ただし、現時点で具体的な候補者はなく、今後、人材を探していきたいとの答弁でした。

私は、大館市の事例は好条件が重なった成功例であり、そのまま大洲市に当てはめることはできないものの、やはり鍵を握るのは人材発掘だと考えています。

文化部活動は、子どもたちの表現力や協調性を育てる大切な場です。運動部と同じく、文化部の地域展開についても丁寧な検討が必要です。



【厚生部門の審査について】

後半の厚生部門では、国民健康保険税条例の改正、一般会計補正予算、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計、病院事業会計などについて審査を行いました。



【国民健康保険税条例の改正について】

国民健康保険税条例の改正では、県内保険料水準の統一に向けた制度改正が説明されました。

国民健康保険制度は、平成30年4月から都道府県と市町村の共同運営に移行しています。愛媛県では、令和15年度から県内保険料水準の統一を目指しており、令和12年度からは保険税率の算定方式について、資産割を廃止し、所得割、均等割、平等割の3方式へ移行する方針です。

委員からは、療養給付費が下がっている理由について質疑がありました。

執行部からは、主な要因は国民健康保険の被保険者数、加入者数の減少であるとの答弁がありました。

また、県内統一によって保険税が高い水準に引き上げられるのではないかという懸念も示されました。

執行部からは、大洲市の1人当たり給付費は現在でもかなり高い水準にあり、県内で納付金が統一されると、大洲市としては納付金が下がる方向になるのではないかとの見通しが示されました。



【子どもの季節性インフルエンザ予防接種助成について】

一般会計補正予算では、今年度から子どもの季節性インフルエンザ予防接種費用の一部を助成する事業が盛り込まれました。

この事業は、子育て世帯の経済的負担を軽減し、接種機会を拡大することで、子どもの発病予防、重症化予防、健康保持増進を図るものです。

私は、その他事項の中で、この助成制度について質問しました。

今回の財源は重点支援地方交付金であると認識しているが、来年度以降も継続するのか、恒久的な措置として考えているのかを確認しました。

執行部からは、今回は重点支援地方交付金を活用して任意接種への助成を行うとの答弁がありました。

来年度以降については、国の交付金の状況にもよるが、任意接種であり、国や県の補助がない場合は一般財源を使って継続する必要があるとの説明でした。担当課としては、必要性を検討していく必要があると考えているとのことでした。

私は、子育て世帯にとって大変助かる制度であるため、継続について検討してほしいと要望しました。

子育て支援は、単発の施策で終わらせるのではなく、必要な支援を継続的に届ける視点が大切です。今後の予算編成の中でも、引き続き確認していきます。



【長浜保健センターの消防設備改修について】

長浜保健センターでは、非常放送設備の老朽化により、自動音声警報装置と手動マイクの切り替えができない状況となっているため、改修工事費が計上されました。

同施設は、長浜高校水族館部が利用しており、月1回の一般公開日には多くの見学者が来館します。また、一般市民の健診場所にもなっています。

委員からは、不具合がどのように発覚したのか、高校生も含めた避難訓練は行っているのかとの質疑がありました。

執行部からは、消防設備は年2回点検しており、点検で徐々に不調が確認されていたこと、消防の立ち入り検査の際に全く鳴らないことが判明したため、今回の修繕となったとの答弁がありました。

また、これまで消防計画に長浜高校水族館部の活動が入っていなかったため、今後は消防計画に水族館部の活動を入れ、避難訓練も実施する形になるとの説明がありました。



【後期高齢者医療特別会計について】

後期高齢者医療特別会計補正予算では、人事異動に伴う人件費調整のほか、前年度に実施した子ども・子育て支援金の賦課徴収に必要なシステム改修業務に係る補助金精算に伴う返還金などが説明されました。

この議案については、反対討論がありました。

反対討論では、子ども・子育て支援金が新たに上乗せされていることについて、本来、医療保険に上乗せされる性格のものではなく、実質的な負担増であるとの意見が示されました。

採決の結果、挙手多数で原案のとおり可決されました。



【介護保険特別会計について】

介護保険特別会計補正予算では、令和8年8月施行の介護保険法改正に対応するための介護保険システム改修業務委託料、人事異動に伴う人件費調整などが説明されました。

委員からは、介護給付費準備基金の残高や基金の使い方について質疑がありました。

執行部からは、現時点の基金残高は約3億7,674万円であり、令和6年度、令和7年度と2年連続で約1億3,000万円ずつ取り崩しているとの説明がありました。

また、介護サービスの利用料は国の制度で定まっており、市独自に変更することはできないものの、基金は65歳以上の第1号被保険者の保険料を算定する際に活用できるとの答弁がありました。

3年に1度の介護保険事業計画の見直し時に、3年間の給付費を見込み、そのうち第1号被保険者が負担する分を算定する。その際に基金を取り崩すことで、保険料の上昇を抑制したり、軽減したりすることができるとの説明でした。



【病院事業会計について】

病院事業会計補正予算では、主に病院事業職員の異動や新陳代謝等による給与手当の調整が説明されました。

委員からは、医療現場で手袋などの物資不足が言われている中、医療機器や物資不足、物価高騰などをどのように見込んでいるのかとの質疑がありました。

執行部からは、今回の補正は基本的に人件費の補正であるとの説明がありました。

医療物資については、現在、薬や資材等の在庫量は2、3か月程度あり、例年と大きく変わらないとのことでした。一部で値上げや入荷数が少ない事象はあるものの、当面は必要量に見合う分を発注し、今後の状況を注視するとの答弁でした。

手袋については、国が備蓄していた新型コロナ関係の手袋について配布要望調査があり、要望した結果、今年3月に約12万枚の無償配布を受けたとのことでした。

物価高騰については、黒いごみ袋などで前年度比約54%の値上がりがあったとの説明があり、使用を抑えるなどして対応しているとの答弁でした。

また、現時点で不足している物資はないとの確認もありました。



【補聴器購入費補助について】

厚生部門のその他事項では、高齢者の補聴器購入費補助について質疑がありました。

執行部からは、予算は措置済みであり、補聴器を使用することによって効果が見込める方を対象とするとの説明がありました。

申請者には医師の意見書を提出してもらい、補聴器の有効性を確認できた方を補助対象とするとのことです。

市内の耳鼻咽喉科の専門医・認定医に制度周知と意見書作成の依頼を行い、準備が整い次第、7月中には制度を開始できる見込みとの答弁でした。



【手話言語条例について】

手話言語条例についても質疑がありました。

委員からは、令和5年3月議会で前向きに検討するとの答弁があったこと、県内他市町でも条例化が進んでいることを踏まえ、大洲市として今後どう進めるのかとの質問がありました。

執行部からは、令和5年3月定例会で質問があり、その際には国の手話言語法案の動向や県内自治体の状況、全国手話言語市区長会議で情報収集に努めると答弁していたとの説明がありました。

その後、市長が令和6年度・7年度に全国手話言語市区長会の副会長に就任し、全国自治体における手話施策や条例制定の意義・効果について見識を深める機会があったとのことです。

今後については、令和9年度に障がい者・障がい児関係の新たな計画を策定する予定であり、その検討のための協議の場で、条例の必要性や意義を議論し、実効性を伴う施策として位置づけたうえで、条例制定に向けて検討を進めたいとの答弁がありました。

私は、八幡浜市では議員提案により条例化したと記憶していることを踏まえ、あまり遅い場合は、議会側で取り組むことも考えられると述べました。



【私からの質疑③ 喜多児童クラブ周辺の送迎時渋滞について】

私は、喜多小学校の喜多児童クラブ周辺における送迎時の渋滞についても質問しました。

以前、喜多児童クラブ周辺では、児童の動線と車の動線が重なり、出入りの安全確認が難しい箇所がありました。この点については、これまで議会でも取り上げ、昨年末にカーブミラーが設置され、見通しは改善されています。

しかし、最近は以前にも増して送迎時間帯の車の台数が多くなっており、特に水泳授業や記録会の時期と重なると、7台、8台程度の車が並ぶこともあります。

そこで、現状を把握しているのか確認しました。

執行部からは、カーブミラー設置後、出入りがしやすくなったとの意見は受けているものの、水泳練習が始まって混雑している状況については、まだ把握していなかったとの答弁がありました。

早急に確認したいとのことでした。

通学・放課後児童クラブの送迎時の安全は、保護者にとっても学校にとっても大切な課題です。現場の変化を見逃さず、必要な対応につなげていきたいと思います。



【私からの質疑④ アフタースクール大洲の建物不具合について】

最後に、アフタースクール大洲の建物不具合について質問しました。

アフタースクール大洲は、令和3年度に旧幼稚園を改修し、大洲児童クラブなどが利用している施設です。

先般、建物に不具合があるのではないかとの話を聞いていたため、現状把握を確認しました。

執行部からは、都市整備課の建築士も同行して確認したところ、床に傾きが生じている可能性があるとの確認結果だったと説明がありました。

今後、設計業者に対応策を相談する予定であり、限られた予算の中で、緊急性と安全確保を第一に検討していくとの答弁でした。

この件について、私は少し強く指摘しました。

現場の職員は床の傾きを知っていたにもかかわらず、その情報が担当課に十分上がっていなかったようです。

一方で、外部では「市にお金がないから直してくれない」といった話になっていたようで、これは市民から見れば市政への不信感につながりかねません。

施設に不具合があるなら、速やかに担当課へ情報を上げる。そして担当、課長、部長へと共有し、必要な調査や予算措置につなげる。これは行政組織として当然必要なことです。

私は、ガバナンスの面で問題があること、現場との風通しのよいコミュニケーションが必要であることを指摘しました。

執行部からは、指摘のとおりであり、児童クラブ側から話があったものの、十分に伝わっていなかった部分があるとの答弁がありました。また、担当が毎年変わっていることもあり、引き継ぎや把握が十分でなかったとの説明もありました。

今後は、今回の指摘内容も含め、全体的に指導していくとのことでした。

私は、市民から誤解を招かないよう、現場とのコミュニケーションをしっかり取ってほしいと要望しました。



【子育て支援に関する政策提言・条例制定の検討について】

委員会の最後に、子育て支援に関する政策提言や条例制定について、今後の検討資料が事務局から示されました。

この件は、前回3月の厚生文教委員会で提案があったものです。今回は、私が委員長として参考資料を作成し、全国の条例事例、それぞれの特色、大洲市で検討する場合の方向性などを整理しました。

私からは、今回の資料はあくまでたたき台であり、条例化ありきではないことを説明しました。

条例がよいのか、決議がよいのか、政策提言という形がよいのか。さまざまな選択肢があります。

大切なのは、子ども・子育て支援について、厚生文教委員会としてどのような政策提言ができるのかを、委員の皆さんと一緒に考えることです。

次回9月の厚生文教委員会で、改めて意見交換を行う予定です。



【おわりに】

今回の厚生文教委員会では、学校給食、部活動の地域展開、不登校支援、子どもの予防接種、介護保険、医療体制、児童クラブの安全対策など、市民生活に直結する課題について幅広く議論しました。

委員長としては、限られた時間の中でも、各委員が質疑しやすく、執行部から具体的な答弁を引き出せるよう努めました。

また、私自身も、しろしたテラスの通信環境、文化部活動の地域展開、子どものインフルエンザ予防接種助成、喜多児童クラブ周辺の安全対策、アフタースクール大洲の施設管理などについて質問しました。

議会の役割は、問題を指摘するだけではありません。

現場で起きている課題を拾い上げ、行政に確認し、必要な改善につなげていくこと。そして、その過程を市民の皆さまに分かりやすく報告することも大切な役割だと考えています。

今後も、厚生文教委員長として、子ども、教育、福祉、医療、地域の安心に関わる課題に、丁寧に取り組んでまいります。


2026年令和8年6月18日 総務企画委員会2026年06月18日

大洲市議会 総務企画委員会の審査について

2026年令和8年6月18日、大洲市議会総務企画委員会が開かれ、付託された議案や請願について審査が行われました。

今回の委員会では、長浜港内港埋立事業、市民文化会館建設事業、公有水面埋立て、核三原則に関する請願、防災情報の伝達などについて質疑が行われました。

主な内容を、質疑応答を中心に報告します。

 

【長浜港内港埋立事業の土砂受入れについて】

第54号議案では、長浜港内港埋立事業の埋立地に土砂を受け入れる際の手数料を定める条例が審査されました。

条例では、土砂を搬入する場合は事前に申請し、市長の許可を受けること、また搬入する土砂は愛媛県の条例等で定める基準に適合しなければならないことが定められています。

手数料は、土砂1立方メートルあたり1,200円とされました。

質疑では、山鳥坂ダム建設工事の際に、トンネル掘削土から自然由来のフッ素やヒ素などが確認され、処理に時間を要した事例を踏まえ、今回の埋立土砂の安全性について確認がありました。

執行部からは、愛媛県条例に基づき、六価クロム、カドミウムなど26項目について土砂基準や水質基準が定められており、土砂採取場所や搬出時期ごとに検査を行い、証明書や報告書の提出を求めるとの説明がありました。

また、基準に適合しない土砂は受け入れないこと、問題が判明した場合には撤去を命じることも条例上可能であるとの答弁がありました。

一方で、委員からは、海中に投入された後に問題が判明した場合、現実的に撤去は極めて難しいのではないかとの指摘がありました。

これに対し執行部は、国土交通省やNEXCO西日本と今後協議する中で、具体的な対応を検討していくと答弁しました。

また、埋立てに必要な土砂量については、全体で約80万立方メートルを見込んでおり、そのうち国土交通省分が約16万立方メートル、NEXCO西日本分が約64万立方メートルとの説明がありました。

本議案は、原案のとおり可決されました。

 

【令和8年度一般会計補正予算について】

第44号議案では、令和8年度大洲市一般会計補正予算第1号が審査されました。

今回の補正額は、歳入歳出それぞれ29億2,405万円を追加し、総額を308億4,050万円とするものです。

歳入では、地方創生臨時交付金、市民文化会館建設事業に係る国庫補助金、県補助金、基金繰入金、市債などが計上されました。

歳出では、4月1日付の人事異動に伴う職員人件費の調整、市民文化会館建設事業、消防・防災関係経費などが主な内容でした。

 

【職員人件費の推移について】

質疑では、職員人件費が前年度と比較してどう変化しているのか確認がありました。

執行部からは、令和8年度の6月補正時点で、一般職員と会計年度任用職員を合わせた人件費は、前年度と比べて約5,200万円の減額となっているとの説明がありました。

主な要因は、正規職員が前年度の同時期と比べて16人減少していることです。

一方で、正規職員だけで見ると約7,600万円の減額ですが、会計年度任用職員は約2,400万円増加しているため、全体では約5,200万円の減額になるとの答弁でした。

職員数の減少は人件費の抑制につながる一方で、行政サービスの維持や職員一人ひとりの負担増にも関わるため、今後も注視が必要です。

 

【市民文化会館建設事業について】

今回の委員会で大きな論点となったのが、市民文化会館建設事業です。

補正予算では、市民文化会館建設事業について、建築工事、電気設備工事、機械設備工事、工事監理業務委託料などを合わせて、64億1,000万円の継続費が設定されました。

工事期間は28か月で、完成は令和11年1月、オープンは令和11年夏から秋頃を目指すとの説明がありました。

今後のスケジュールとしては、補正予算承認後に入札準備を進め、7月上旬に公告、9月上旬に開札、仮契約後に9月定例会最終日に契約締結議案を提出する予定とされています。

質疑では、物価上昇、補助金の見通し、基金残高、市債発行、将来負担、市民サービスへの影響など、財政面からの懸念が示されました。

特に、財政調整基金だけでなく、減債基金や目的基金を含めた基金全体の減少傾向、今後の公共施設老朽化対応、修繕費など、市債の対象になりにくい経費への対応をどう考えるのかという点が問われました。

また、他市の文化会館建設事例として、指宿市や鹿島市の事例も挙げられ、大洲市の財政規模や今後の人口減少を踏まえると、現在の事業規模は大きすぎるのではないかとの意見も出されました。

執行部からは、基本設計の段階でメインホール、サブホールの席数を削減し、規模の縮小を図ってきたこと、実施設計段階でも仕様の見直しなどにより事業費抑制に努めてきたことが説明されました。

また、契約後は資材の早期発注などにより、物価上昇による事業費増をできる限り抑制していくとの答弁がありました。

財政面については、支払いを3年間に分けること、普通建設事業に係る市債発行額をおおむね25億円程度に抑制する財政計画としていること、事業費の平準化を図りながら市民サービスに影響が出ないよう運営していくとの説明がありました。

一方で、委員からは、市債発行額25億円という目安そのものも、将来世代への負担を踏まえて今後改めて検討すべきではないかとの意見が出されました。

また、公共施設の老朽化により、雨漏りや床の劣化など、身近な修繕が後回しになっている事例もあるとして、市民文化会館だけに財源が集中しすぎないよう、慎重な判断を求める意見もありました。

第44号議案は、原案のとおり可決されました。

 

【公有水面埋立てに関する意見について】

第58号議案、第59号議案では、長浜港内港埋立てに係る公有水面埋立てについて、愛媛県知事に対し「異議なし」とする意見を述べることが審査されました。

今回の埋立ては、大洲市と愛媛県が共同で行うもので、愛媛県が締切部の岸壁を整備し、大洲市がその背後を埋め立てる計画です。

質疑では、今後の可能性調査の結果、埋立地の用途を変更する必要が生じた場合、どのような手続きが必要になるのか確認がありました。

執行部からは、用途を大きく変更する場合は、今回の埋立願書と同様の手続きが必要になるとの答弁がありました。

具体的には、新たな用途に必要な面積や施設の必要性を整理し、県の審査を受けることになります。

その上で、地元自治体への意見照会、議会の議決、許可という流れになるとの説明でした。

一方で、現在想定しているスポーツ・レクリエーション施設や商業・観光施設などの範囲内で、建物内部の一部を変更する程度であれば、どこまで手続きが必要かは県との協議になるとのことでした。

第58号議案、第59号議案は、いずれも原案のとおり可決されました。

 

【非核三原則の堅持を求める請願について】

請願第2号として、「日本政府に非核三原則の堅持を求める請願」が審査されました。

請願の趣旨は、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」とする非核三原則を国是として堅持するよう、日本政府に対して意見書を提出することを求めるものです。

大洲市は平成17年12月に非核平和都市宣言を行っています。

また、国会においても、非核三原則を堅持する決議が複数回採択されており、現在の政府も非核三原則を政策上の方針として堅持するとの見解を示しているとの説明がありました。

委員からは、核兵器のない社会を目指す理念そのものは大切であり、核を使った戦争は決してあってはならないという思いは共有できるとの意見がありました。

一方で、現在の国際情勢、安全保障環境、近隣国の核保有や核開発の状況を踏まえると、外交・安全保障政策に関わる問題であり、国の責任において議論すべきではないかとの意見が相次ぎました。

また、大洲市として非核平和都市宣言を行っており、節目には必要に応じて意見書を提出することもあるが、毎年同様の意見書を提出する必要まではないのではないかとの意見もありました。

採決の結果、請願を採択することには賛成者がなく、不採択とすることに全員が賛成し、請願は不採択となりました。

 

【ジュニア防災士について】

所管事務では、ジュニア防災士に関する質疑がありました。

委員から、6月16日の一般質問で子ども・ジュニア防災士について質問したところ、大洲市ホームページに6月15日付で小中高校生向けの防災士募集案内が掲載されていたことについて、経緯の確認がありました。

執行部からは、大洲市では例年、愛媛県と連携して防災士資格取得に向けた支援を行っており、毎年40名程度を対象に受講料を市が負担しているとの説明がありました。

今年度は、市内の小中高校生にも案内し、希望者には積極的に受講してもらいたいと考えているとのことでした。

子どもたちが防災を学び、地域の中で防災意識を高めていくことは、今後の地域防災力を考える上でも重要な取り組みです。

 

【耳で聞くハザードマップについて】

同じく所管事務では、「耳で聞くハザードマップ」についても質疑がありました。

これは、愛媛県が令和8年4月1日から導入を開始した仕組みで、ユニボイスアプリを活用し、視覚に障がいのある方にもハザードマップや避難情報を音声で届けるものです。

大洲市には、令和8年5月7日に愛媛県から周知協力の依頼があったとの説明がありました。

利用者は、スマートフォンに「ユニボイスブラインド」アプリをインストールし、スクリーンリーダー機能を使って、防災情報や避難情報を音声で確認することができます。

災害時には、避難所の開設状況など、ホームページ等で発信される情報も音声で案内できる仕組みです。

大洲市では、市民防災読本の周知啓発にあわせて、視覚障がい者団体等に読み上げ案内のCDを用意して配布する予定であり、ユニボイスアプリについてもあわせて案内していく考えが示されました。

委員から、利用者や大洲市の費用負担について確認があり、執行部からは、利用者は通常の通信料を除き基本無料で利用できること、現時点で愛媛県から市町に対して負担金を求める話は来ていないとの答弁がありました。

 

【まとめ】

今回の総務企画委員会では、長浜港内港埋立事業、市民文化会館建設事業、公有水面埋立てなど、大洲市の将来に関わる大きな事業について質疑が行われました。

特に市民文化会館建設事業については、文化施設としての必要性だけでなく、物価上昇、基金残高、市債発行、将来世代への負担、他の公共施設修繕や市民サービスへの影響を含めて、慎重な検討が必要です。

また、防災士の育成や耳で聞くハザードマップの活用など、防災情報をより多くの市民に届ける取り組みについても確認が行われました。

議案はすべて原案のとおり可決され、非核三原則の堅持を求める請願は不採択となりました。

今後も、議案の賛否だけでなく、その背景にある課題や財政への影響、市民生活との関係を分かりやすくお伝えしてまいります。

令和8年(2026)6月定例市議会、私の質問日程と事前通告2026年06月13日


202606議会

大洲市議会令和8年6月定例会は6月8日(月)開会しました 
私の質問は、6月15日(月)の3人目、午後1時頃からとなります 
場所は大洲市役所5F、傍聴は大歓迎です 
また会議の模様は大洲市議会のサイトにて後日YouTubeにて公開されます 
 「中野ひろしTV」でも解説と字幕付きで配信予定です 
事前通告済みの質問項目は以下の5項目、一問一答方式で行います 

①大洲農業高等学校用地の今後について
1.大洲農業高等学校用地の今後について

②生成AIの活用について
1.LGWAN環境内での導入について
2.市公式ホームページにおけるAIチャットボットの導入について

③大洲高校の魅力化向上について
1.定員割れが続く現状について
2.具体的な取組みについて
3.協議の場について
4.全国募集について

④タクシー不足対策について 
1.現状の認識について
2.ライドシェアの導入について

⑤ごみ拾いアプリの活用について
1.「ピリカ」の導入について 

以下は質問の要旨です

202606質問01

①大洲農業高等学校用地の今後について
1.大洲農業高等学校用地の今後について
今年4月大洲高校に農業科が新設され、令和11年度には大洲農業高校が完全統合される予定です
同じ令和11年度には、市民文化会館の完成も予定されています
市内中心部に位置する農業高校用地をどう活用するのかは、今後の都市計画上の重要課題です
空白期間を生じさせないため、県との協議と市の大局的な方針を問います


202606質問02

②生成AIの活用について
1.LGWAN環境内での導入について
2.市公式ホームページにおけるAIチャットボットの導入について
生成AIの活用は、行政の仕事の進め方を変える大きなテーマです
個人情報を扱う自治体だからこそ、LGWAN環境内で安全に使える仕組みが必要です
議事録作成など職員の負担軽減にどうつなげるのか、導入状況と今後の方針を問います
あわせて、市公式ホームページのAIチャットボット再導入による市民利便性向上についても確認します


202606質問03

③大洲高校の魅力化向上について
1.定員割れが続く現状について
2.具体的な取組みについて
3.協議の場について
4.全国募集について
大洲高校普通科は、定員120人に対し入学者61人という厳しい状況です
高校の定員割れは、教育だけでなく地域の将来にも関わる重要な課題です
給食支援、公営塾、卒業生との交流、学校との定期協議など、魅力化に向けた具体策を問います
カヌー部など大洲高校ならではの強みを生かし、全国募集の可能性についても確認します


202606質問0ま4

④タクシー不足対策について 
1.現状の認識について
2.ライドシェアの導入について
大洲市内のタクシーは、現在2社5台の稼働まで減少しています
一昨年の9月議会でライドシェア導入を提言しましたが、状況はさらに深刻化しています
高齢者の移動、通院、観光、夜間の交通など、すでに市民生活に関わる課題です
タクシー不足の現状を市がどう認識し、今後どう対応するのかを問います


202606質問05

⑤ごみ拾いアプリの活用について
1.「ピリカ」の導入について
ごみ拾いSNS「ピリカ」は、清掃活動を記録し、成果を見える化できるアプリです
ごみ拾いは、特別な活動にせず、少しずつ日常の中で続けることが大切です
清掃イベントの発信や、不法投棄情報の通報など、市民参加の広がりにもつながります
大洲市でも、ピリカのようなアプリ導入を調査検討できないかを問います

大洲市議会議員の逮捕報道を受けて2026年06月04日

大洲市議会議員の逮捕報道を受けて
このたびの大洲市議会議員の逮捕報道を、大変重く受け止めています。

市民の皆さまに大きな不安と失望を与えたことは、同じ議会に身を置く者として重く受け止めています。
自由クラブとしては、事実関係の解明を注視するとともに、議会改革、情報公開、市政の見える化をさらに進め、市民の皆さまの信頼回復に努めてまいります。

令和8年6月4日
自由クラブ会派長
大洲市議会議員 中野寛之

大洲市議会厚生文教委員会行政視察 令和8年(2026)5月22日 秋田県大館市2026年05月22日


20260522大館市
大洲市議会厚生文教委員会 令和8年度行政視察

令和8年5月22日
秋田県大館市



視察事項

本視察では、大館市における文化部活動、特に吹奏楽部の地域展開について説明を受けた。

大館市では、部活動の地域展開を単なる教員の働き方改革としてではなく、同市が進める「ふるさとキャリア教育」の延長線上に位置づけている。吹奏楽活動を学校の音楽室だけに閉じたものとせず、地域全体を学びの場とし、市民や地域の音楽関係者が子どもたちの育ちを支える仕組みとして進めている点が特徴である。

この取り組みで特に重要なのは、学校、教員、行政、吹奏楽連盟、地域指導者をつなぐコーディネーターの存在である。制度をつくるだけでは地域展開は進まない。現場の教員の思いを受け止め、地域人材を見つけ、学校との関係を調整し、少しずつ信頼関係を築いていく役割が不可欠である。

大館市では、吹奏楽連盟に事業を委託することで、音楽教員、社会人吹奏楽団、地域の音楽関係者などの専門人材を活用しやすい体制が整えられていた。また、各学校に講師を派遣する仕組みや、市内の生徒が集まるパート別講習会、基礎合奏講座、コンクールに向けた専門家指導などが実施されている。

さらに、「見守り指導者」という仕組みにより、地域人材が専門講師の指導を見ながら学び、将来的な指導者として育っていく体制も構築されていた。最初から完成された指導者を求めるのではなく、地域の中で人材を育てていく考え方は、大変参考になるものであった。

少子化により、学校単位での活動継続が難しくなる中、大規模校では学校単位の活動を残しつつ、小規模校では合同練習や地域クラブ化を進めるなど、学校規模に応じた現実的な方向性が検討されていた。



質疑応答

質疑では、まず教員が今後も部活動に関わることができるのかという点が確認された。これに対し、学校として部活動を担う形は将来的に変わるものの、希望する教員は兼職兼業の形で指導に関わることができるとの説明があった。

また、保険、事故対応、楽器の管理や運搬についても質問があった。吹奏楽はスポーツとは異なる課題がある一方で、楽器運搬などについては、これまでも生徒や関係者が対応してきた実情が紹介された。

大洲市の現状については、市内中学校8校のうち6校に吹奏楽部があり、加入生徒数は113人であることが報告された。運動部については、令和10年度夏ごろを目途に休日の地域展開を進め、令和12年度までに平日の地域展開を目指すロードマップがあることも説明された。

文化部についても、活動の空白期間を生まないことが重要であり、市長からも「ブランクを作らないでほしい」との意見が示されているとのことであった。今後、大洲市では中学校の音楽教員に対し、活動場所、指導者、運営資金、移動手段などについてヒアリングを行い、方向性を協議していく方針が示された。

一方で、説明の中では、ヒアリングだけでは「できない理由」が多く出てくる可能性も指摘された。地域展開を前に進めるためには、現場の声を聞くだけでなく、学校現場と地域の双方を理解し、具体的な受け皿づくりへつなげるコーディネーターの存在が重要である。

さらに、子どもたちの活動目的が多様化する中で、コンクールを目指す生徒と、楽しみながら音楽に関わりたい生徒の双方に対応できる受け皿づくりの必要性も議論された。小規模校では、平日は各校で基礎練習を行い、休日に合同練習を行う形が現実的ではないかとの意見も出された。

送迎については、保護者負担や家庭環境による差が生じる可能性があり、今後の大きな課題として確認された。



所感

大館市の取り組みから最も強く感じたのは、部活動の地域展開は制度だけでは動かないということである。計画や仕組みをつくることはもちろん必要であるが、それ以上に、現場の教員、地域の人材、行政、関係団体をつなぐコーディネーターの存在が重要である。

特に吹奏楽の場合、音楽教員はこれまで指導、会計、保護者対応、大会運営、楽器管理など、多くの役割を一人で担ってきた。加えて、吹奏楽指導に強い思いを持って教員になった方も多く、外部人材が入ることに抵抗感を持つことは自然なことでもある。

そのため、地域展開を進める上では、音楽教員の意識改革が大きな鍵になる。これは一方的に考え方を変えさせるという意味ではない。教員の専門性や思いを尊重しながら、地域人材と役割分担することで、結果として子どもたちにとっても、教員にとっても、より良い活動環境になることを実感してもらう過程が必要である。

大館市でも、音楽教員が地域人材を受け入れるまでには時間を要している。最初は否定的な反応もあったが、コーディネーターが人と人をつなぎ、地域人材を学校に送り込み、実際に活動を支える中で、少しずつ意識が変わっていったという説明は非常に印象的であった。

また、「見守り指導者」の仕組みは、地域人材を育てる上で有効な取り組みである。いきなり指導を任せるのではなく、専門講師の指導を見ながら、学校文化や中学生への接し方を学んでいく。この段階的な関わり方は、地域人材の不安を和らげるとともに、学校側の受け入れにもつながっている。

大洲市においても、文化部活動の地域展開を進めるには、単に指導者を探すだけでは不十分である。学校現場の実情を理解し、地域の人材を把握し、行政との調整を行い、音楽教員との信頼関係を築けるコーディネーターの配置が必要である。

財源確保、送迎、保険、活動場所、保護者負担など、現実的な課題は多い。特に送迎については、家庭の事情によって参加機会に差が生じる可能性があり、子どもたちの体験格差につながらないよう慎重な検討が必要である。

大洲市においても、文化部活動の空白期間を生まないためには、早い段階から方向性を示し、現場の声を聞きながら、コーディネーターを中心とした具体的な受け皿づくりを進める必要がある。



総論

部活動の地域展開は、教員の働き方改革だけを目的とするものではない。子どもたちの学び、成長、仲間づくり、地域とのつながりをどのように保障していくかという、教育と地域社会全体に関わる重要な課題である。

大館市では、吹奏楽部の地域展開を「ふるさとキャリア教育」と結びつけ、地域全体で子どもたちを育てる取り組みとして進めていた。学校から地域への丸投げではなく、教員、地域指導者、行政、関係団体が役割を分担しながら支える仕組みを構築している点に大きな意義がある。

その中でも、最も重要な役割を担うのがコーディネーターである。地域展開は、制度を示せば自然に進むものではない。学校現場と地域の間には、考え方、責任、負担感、専門性へのこだわりなど、さまざまな壁がある。その壁を一つずつほぐし、人と人をつなぎ、活動が実際に動く形にしていく役割が欠かせない。

また、音楽教員の意識改革も避けて通れない。これまで学校部活動を支えてきた音楽教員の努力と専門性を尊重した上で、一人で抱え込む体制から、地域とともに支える体制へ転換していく必要がある。その転換を進めるには、押しつけではなく、実際に地域人材と連携することで負担が軽減され、子どもたちの活動も充実するという実感を積み重ねることが重要である。

大洲市においても、少子化により単独校での部活動維持が難しくなることが予想される中、文化部活動の地域展開は避けて通れない課題である。今後は、活動場所、指導者、財源、移動手段、保険、保護者負担などを整理するとともに、学校現場と地域をつなぐコーディネーター機能を明確に位置づける必要がある。

子どもたちが文化活動やスポーツ活動を通じて成長できる機会を失わないよう、行政、学校、地域が連携し、地域全体で子どもたちを支える体制づくりを進めていきたい。
 


大洲市議会厚生文教委員会行政視察 令和8年(2026)5月21日 秋田県能代市2026年05月21日


20260521秋田県能代市

令和8年度 大洲市議会厚生文教委員会行政視察報告

令和8年5月21日
秋田県能代市
視察先:能代ふれあいプラザ サンピノ


視察事項

秋田県能代市において、複合施設「能代ふれあいプラザ サンピノ」を視察した。

同施設は、急速な高齢化、人口減少、中心市街地の空洞化といった地域課題に対応するため、在宅福祉サービス、子育て支援、高齢者住宅、世代間交流の拠点として整備された施設である。平成13年9月に着工し、平成16年4月1日に供用開始されている。

施設は能代市の中心市街地に位置し、市役所から徒歩圏内にあるほか、近隣には警察署、裁判所、郵便局などの公共施設も立地している。中心部に福祉、子育て、住宅、交流の機能を集約することで、市民が利用しやすい環境が整えられている。

建物は鉄骨・鉄筋コンクリート造で、3階建て、一部8階建てとなっている。延床面積は7,224.94平方メートル、敷地面積は4,547.91平方メートルであり、事業費は約25億140万7千円である。能代市は木材産業が盛んな地域であることから、施設内外には杉板、木製手すり、木製フロア、木製サッシなどが活用され、地域性を反映した温かみのある空間づくりがなされていた。

施設の構成として、1階には保育所、子育て支援センター、デイサービスセンター、エントランスホール、管理人室が配置されている。2階には集会交流室、高齢者友愛センター、社会福祉協議会、ボランティアセンター、ラウンジテラスが設けられている。3階から8階は市営住宅であり、高齢者単身向け、高齢者夫婦向け、ファミリー向けなど、合計40戸が整備されている。施設全体としてバリアフリーにも配慮され、1・2階用のエレベーターと住宅階用のエレベーターがそれぞれ設置されている。

同施設の大きな特徴は、複数の機能を単に同じ建物内に配置するだけでなく、保育所の子どもたち、デイサービス利用者、住宅入居者、地域住民が自然に交流できる仕組みを持っている点である。施設内交流として、保育所の子どもたちとデイサービス利用者による誕生会、子どもの日、ハロウィン、クリスマスなどの行事が実施されている。また、地域間交流として、七夕行事、サンピノ祭、新年の集いなどが行われている。

サンピノ祭では、保育所児童のお遊戯、小学生による演技、遊びコーナー、作品展示などが行われ、約330人が参加した。新年の集いでは、餅つき、獅子舞、おはじき、こま回しなどを通じて世代間交流が行われ、約580人が参加している。これらの継続的な交流により、子ども、大人、高齢者が顔見知りとなり、日常的なあいさつや見守りにつながっているとの説明があった。

一方で、実行委員やボランティアの高齢化、担い手不足、事業内容のマンネリ化が課題となっており、今後の交流事業のあり方についても検討が必要とされている。


質疑応答

市営住宅の入居基準について質問したところ、4階から8階に整備されている市営住宅は全40戸で、現在39戸が入居済みとのことであった。高齢者向け住宅には年齢要件が設けられており、その他の要件については、収入基準や住宅困窮度など、一般的な公営住宅と同様であるとの説明であった。中心市街地にあり、多世代交流ができる施設であることから、入居希望は多いものと考えられる。

交流事業の運営体制については、イベント実行委員会が中心となり、ボランティアや関係団体も協力して実施しているとのことであった。ただし、実行委員やボランティアの高齢化により、以前ほど機動的に動ける人が少なくなっているとの課題も示された。一方で、高校生ボランティアや企業から、子ども向けコーナーへの協力の申し出もあるとのことであり、地域の多様な主体との連携が模索されている。

健康づくりや母子保健事業については、健康診断などの健康関連事業は同施設ではなく、別の保健センター等で実施しているとのことであった。子育て支援課の事業として母親学級などが施設内で開催されることはあるが、0歳児健診や3歳児健診などの母子保健事業は実施していない。子育て支援センターは保育所に併設されているものの、母子保健機能については別施設で担っており、機能分担が明確にされていた。

貸館利用と使用料については、集会交流室などの貸館利用は有料であり、集会交流室は1時間210円、電気等を使用する場合は追加で1時間90円とのことであった。高齢者友愛センターについては、60歳以上の利用者が多い団体の場合、1時間150円で利用できる。公益的な市の事業等では減免の対象となる場合があるが、団体に対する施設独自の補助金制度は特にないとの説明であった。

災害時の避難所機能については、同施設は災害時の避難所として位置づけられているとのことであった。これまで避難所として実際に使用された例は多くないものの、停電時に備えて発電機が設置されている。食料備蓄については、施設単独で大きく備えているわけではなく、市役所が近接していることも踏まえた運用となっている。

入居者と施設サービスの関係については、市営住宅の入居者が1階のデイサービスセンターの食堂を日常的に利用する仕組みではないとのことであった。食堂はデイサービスセンター利用者向けである。ただし、住宅入居者の中にはデイサービス等を利用している人もおり、同一建物内に高齢者住宅と福祉サービスがあることは、利便性の面で大きな利点があると感じた。

施設のセキュリティについては、基本的に市民が利用しやすい開かれた施設となっている一方で、朝7時30分から夜10時までは管理人を配置し、保育所については入口で来所者対応を行うなど、安全対策が講じられている。管理人がいない時間帯は、住居部分以外を施錠し、住宅部分の入口のみ24時間利用可能とする運用となっている。

発達支援に関する相談窓口については、サンピノ内に専門窓口は設置されていないものの、市民福祉部福祉課、子育て支援課で各種相談を受けているとのことであった。また、子育て支援センター利用時に相談を受けることもある。さらに、3歳児健診から就学時健診への橋渡しとして、教育委員会学校教育課が5歳児親子相談を実施しており、支援が必要と判断された幼児には、幼児通級指導教室で小集団指導を行い、集団生活への適応を支援している。

地域包括支援センターについては、施設開設当初は2階に設置され、1カ所で事業を行っていたが、その後、地域性を踏まえて3カ所に分けて民間委託されたとのことであった。委託先は社会福祉協議会や病院系の社会福祉法人などであり、地域に近い場所で相談支援を行う体制へ移行している。

施設整備時の議会での議論については、平成8年9月に市議会にニューライフセンター建設特別委員会を設置し、施設機能、既存施設との調整、改築・統合との整合性、複合施設のメリット・デメリットなどについて審議が行われたとの説明があった。また、民間保育施設や民間アパートへの影響、周辺自治会や近隣住民との関係、高層建築による電波障害、日照、道路幅、駐車場、避難所機能なども論点となった。基本設計、本体工事契約等を可決し、平成13年12月に特別委員会は解散している。


所感

能代ふれあいプラザ サンピノは、保育所、子育て支援、デイサービス、高齢者住宅、社会福祉協議会、ボランティアセンター、交流施設を一体的に配置し、多世代交流を実践する複合施設として、特色ある取り組みが行われていた。

特に印象的であったのは、子どもと高齢者が同じ建物内で日常的に交流できる仕組みである。これは単なるイベント交流にとどまらず、日常の中で顔の見える関係をつくる取り組みであり、地域福祉の基盤づくりとして大きな意味を持つ。保育所の子どもたちがデイサービス利用者の誕生会に参加するなど、自然な形で世代間交流が行われていることは、子どもたちの思いやりや高齢者を敬う気持ちを育む上でも意義が大きい。高齢者にとっても、子どもたちとの交流は生活の楽しみや生きがいにつながるものと考えられる。

また、市営住宅を施設上層階に配置している点も特徴的である。中心市街地の居住促進と福祉サービスの近接化を同時に図る取り組みであり、公共施設の複合化を考える上で参考となる事例であった。

一方で、すべての子育て、福祉、保健機能を一施設に集約しているわけではない点も重要である。母子保健や健康診断などは別施設で担っており、施設ごとの役割分担が明確にされていた。複合施設を整備する際には、単に多くの機能を一か所に集めるのではなく、施設の目的、利用者の動線、専門機能との役割分担を丁寧に整理する必要がある。

交流事業については、地域団体やボランティアの協力により継続されているが、担い手の高齢化や事業のマンネリ化という課題も明らかであった。本市においても、地域活動の担い手不足は共通する課題である。行政だけでなく、地域、学校、企業、各種団体との連携を広げ、持続可能な運営体制を構築していく必要がある。

災害時の避難所機能についても、施設が避難所に位置づけられていることに加え、日常的な交流を通じて生まれる顔の見える関係が、安否確認や避難支援につながる可能性を感じた。福祉施設の役割は、サービスを提供することだけではない。地域のつながりを育て、いざという時に支え合える関係を日常からつくる拠点としての役割も重要である。


総論

能代ふれあいプラザ サンピノは、少子高齢化、人口減少、中心市街地の空洞化という地域課題に対し、福祉、子育て、居住、交流の機能を組み合わせて対応しようとする先進的な複合施設である。

施設整備にあたっては、在宅福祉サービスの拠点づくり、子育て支援、高齢者住宅の整備、世代間交流、中心市街地の活性化といった複数の目的が明確に位置づけられていた。供用開始から年月が経過した現在も、七夕行事、サンピノ祭、新年の集いなどを通じて、地域に開かれた交流拠点としての役割を果たしている。

特に、子どもと高齢者が日常的に関わる環境は、地域共生社会の実現に向けた実践例として評価できる。施設内で生まれる自然な交流は、子どもの育ち、高齢者の生きがい、地域の見守り、防災時の支え合いにもつながる可能性を持っている。

一方で、人口減少や少子高齢化が当初の想定を超えて進む中、施設の役割はさらに大きくなっている。その反面、実行委員やボランティアの高齢化、担い手不足、事業の継続性、内容の見直しといった課題も生じている。施設を整備するだけでなく、整備後にどのように運営し、地域とともに育てていくかが重要である。

本市においても、公共施設の複合化や再編を考える際には、単なる施設の集約ではなく、地域のつながりを生み出す仕組みをどう設計するかが問われる。また、子育て支援、高齢者福祉、地域福祉、防災、中心市街地活性化を別々の課題として捉えるのではなく、相互に関連する地域課題として総合的に考える必要がある。

今回の視察を通じて、施設整備そのもの以上に、施設を活用して人と人をつなぐ運営体制、地域との協働、継続的な交流事業の重要性を学ぶことができた。今後の本市における福祉施策、子育て支援、公共施設のあり方、地域コミュニティの再構築を考える上で、大いに参考となる視察であった。