令和8年6月18日 厚生文教委員会の報告
【文教・厚生部門の審査と主な質疑について】
6月18日、厚生文教委員会が開催され、委員長として議事進行を行いました。
今回の委員会では、前半に文教部門、後半に厚生部門の議案審査を行い、教育、学校給食、部活動の地域展開、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療、病院事業、子育て支援など、幅広い分野について質疑が行われました。
委員会に付託された議案については、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり承認・可決すべきものと決定しました。
以下、主な質疑応答を中心に報告します。
【文教部門の審査について】
文教部門では、主に教育費補正予算について説明がありました。
主な内容は、4月1日付の人事異動に伴う人件費の調整、部活動指導員配置事業、中学校給食無償化に伴う財源振替、学校給食センター維持管理運営事業に係る債務負担行為の追加です。
【学校給食センターの次期運営について】
学校給食センターについては、現在のPFI事業が令和9年3月末で終了することから、令和9年度から令和18年度までの10年間、長期包括的民間委託方式へ移行するための債務負担行為が提案されました。
委員からは、現在のPFI方式と次期方式の違いについて質疑がありました。
執行部からは、現在のPFIは建設、維持管理、調理、配送、洗浄までを一括して行うものだったが、次期事業では建物はすでに整備済みであるため、維持管理と調理・配送等が中心になるとの説明がありました。
また、次期事業者の選定については、入札ではなく公募型プロポーザル方式により、提案内容を審査して決定するとの答弁がありました。
学校給食は、子どもの命と健康に直結する重要な事業です。そのため、委員からは「安ければよいというものではない」「現在の事業者や従業員が培ってきたノウハウをどう継続するのか」といった指摘がありました。
これに対し執行部からは、現在のPFI事業は成功事例と認識しており、要求水準書に地元雇用の継続を明記し、現在の従業員が引き続き就労できるよう配慮するとの答弁がありました。
児童生徒数が減少する中で、今後10年間の維持管理費をどのように積算したのかという質疑もありました。
執行部からは、食数が減少しても建物の維持管理費は大きく変わらず、調理業務も極端には減らないことから、これまでの事業費を参考に今後10年間の事業費を算定したとの説明がありました。
【部活動指導員配置事業について】
中学校部活動の地域展開に向け、平日に部活動指導員を配置する事業についても質疑が行われました。
執行部からは、競技経験がない、または経験の浅い顧問教員を、専門的知識や技術指導を持つ指導員が支援するものであり、指導員は会計年度任用職員として雇用するとの説明がありました。
開始時期については、議決後、7月1日からの採用を目指すとのことでした。
委員からは、指導員が指導している間、顧問教員はどのように関わるのか、生徒の安全や保険はどうなるのか、学校教育としての位置づけをどう担保するのか、といった質疑がありました。
執行部からは、指導員が単独で指導する場合もあるが、教員と一緒に活動する場合もあり、柔軟に対応するとの答弁がありました。
安全面については、学校の部活動として実施するため、児童生徒は従来どおり日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度に準じるとのことでした。
また、部活動は教育課程外の学校教育活動として位置づけられるものであり、愛媛県教育委員会の部活動運営ガイドラインに基づき、体罰・ハラスメントの禁止、外部指導者の立場などを踏まえて運営するとの説明がありました。
新しい取り組みであるからこそ、指導する側も、受ける側も不安があると思います。子どもたちが健やかに成長できる環境を第一に、丁寧に進めていただきたいと感じました。
【不登校の状況について】
その他事項では、不登校児童生徒数の状況について質疑がありました。
執行部からは、令和元年度34人、令和2年度38人、令和3年度36人と30人台で推移していたものが、令和4年度に64人、令和5年度に74人となり、その後も70人台後半で推移しているため「高止まり」と表現しているとの説明がありました。
不登校の要因については、個々の児童生徒や学年によって状況が異なるため、一概に断定することは難しいとの見解でした。
一方で、全国や愛媛県と比べると、大洲市の出現割合は低い水準にあり、各学校での取り組みが一定程度機能しているものと考えたいとの答弁もありました。
校内サポーター等の効果については、各学校において存在は大きく、人がつくことで子どもとの関わりが大きく変わるとの説明がありました。
【私からの質疑① しろしたテラスのフリーWi-Fi整備について】
文教部門のその他事項では、私からしろしたテラスのフリーWi-Fi整備について質問しました。
しろしたテラスは、観光客の利用も多く、肱川や大洲城を望む景観にも恵まれた場所です。写真や動画を撮影し、SNS等で発信する利用者も多いと考えられます。
一方で、現状ではしろしたテラス側にフリーWi-Fiが整備されていません。
そこで私は、観光客の利便性向上や情報発信の面から、フリーWi-Fiの整備が必要ではないかと質問しました。
執行部からは、しろしたセンターは肱南コミュニティセンターとしろしたテラスの複合施設であり、コミュニティセンター側には無料Wi-Fiが整備されているものの、しろしたテラス側は未整備であるとの説明がありました。
これまではカヌー体験などのアクティビティ拠点として位置づけていたため、Wi-Fi整備は検討していなかったとのことでしたが、利用者ニーズを踏まえ、次回の指定管理の見直し時に前向きに検討するとの答弁がありました。
観光地における通信環境は、単なる利便性の問題にとどまりません。訪れた人がその場で写真や動画を発信することは、大洲の魅力発信にもつながります。今後の検討を注視していきます。
【私からの質疑② 文化部活動、特に吹奏楽部の地域展開について】
部活動の地域展開については、運動部だけでなく文化部も重要です。
私は、先般、委員会視察で訪問した秋田県大館市の事例を踏まえ、特に吹奏楽部の地域展開について質問しました。
大館市では、元音楽教員が教育委員会に入り、現場の音楽教員と教育委員会をつなぐコーディネーターとして機能していました。その方は吹奏楽連盟の役職も務めており、現場を理解したうえで、教員、地域、行政をつなぐ役割を担っていました。
私は、このようなコーディネーターの存在が、文化部活動の地域展開では非常に重要ではないかと指摘し、大洲市としての考えを確認しました。
執行部からは、文化部活動の地域展開には、指導者の確保、活動場所の確保、運営資金、移動手段などの課題があるとの答弁がありました。
その中でも、総括的なコーディネーターの必要性は感じているとのことでした。
また、市内中学校の音楽教員に個別ヒアリングを行った結果、教員には関わりたい気持ちがある一方で、自分の生活を優先したいという思いも強く、現職教員がコーディネーターを担うことには大きな負担感があるとの説明がありました。
そのため、教職員OBなどが適任ではないかとの見解が示されました。ただし、現時点で具体的な候補者はなく、今後、人材を探していきたいとの答弁でした。
私は、大館市の事例は好条件が重なった成功例であり、そのまま大洲市に当てはめることはできないものの、やはり鍵を握るのは人材発掘だと考えています。
文化部活動は、子どもたちの表現力や協調性を育てる大切な場です。運動部と同じく、文化部の地域展開についても丁寧な検討が必要です。
【厚生部門の審査について】
後半の厚生部門では、国民健康保険税条例の改正、一般会計補正予算、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計、病院事業会計などについて審査を行いました。
【国民健康保険税条例の改正について】
国民健康保険税条例の改正では、県内保険料水準の統一に向けた制度改正が説明されました。
国民健康保険制度は、平成30年4月から都道府県と市町村の共同運営に移行しています。愛媛県では、令和15年度から県内保険料水準の統一を目指しており、令和12年度からは保険税率の算定方式について、資産割を廃止し、所得割、均等割、平等割の3方式へ移行する方針です。
委員からは、療養給付費が下がっている理由について質疑がありました。
執行部からは、主な要因は国民健康保険の被保険者数、加入者数の減少であるとの答弁がありました。
また、県内統一によって保険税が高い水準に引き上げられるのではないかという懸念も示されました。
執行部からは、大洲市の1人当たり給付費は現在でもかなり高い水準にあり、県内で納付金が統一されると、大洲市としては納付金が下がる方向になるのではないかとの見通しが示されました。
【子どもの季節性インフルエンザ予防接種助成について】
一般会計補正予算では、今年度から子どもの季節性インフルエンザ予防接種費用の一部を助成する事業が盛り込まれました。
この事業は、子育て世帯の経済的負担を軽減し、接種機会を拡大することで、子どもの発病予防、重症化予防、健康保持増進を図るものです。
私は、その他事項の中で、この助成制度について質問しました。
今回の財源は重点支援地方交付金であると認識しているが、来年度以降も継続するのか、恒久的な措置として考えているのかを確認しました。
執行部からは、今回は重点支援地方交付金を活用して任意接種への助成を行うとの答弁がありました。
来年度以降については、国の交付金の状況にもよるが、任意接種であり、国や県の補助がない場合は一般財源を使って継続する必要があるとの説明でした。担当課としては、必要性を検討していく必要があると考えているとのことでした。
私は、子育て世帯にとって大変助かる制度であるため、継続について検討してほしいと要望しました。
子育て支援は、単発の施策で終わらせるのではなく、必要な支援を継続的に届ける視点が大切です。今後の予算編成の中でも、引き続き確認していきます。
【長浜保健センターの消防設備改修について】
長浜保健センターでは、非常放送設備の老朽化により、自動音声警報装置と手動マイクの切り替えができない状況となっているため、改修工事費が計上されました。
同施設は、長浜高校水族館部が利用しており、月1回の一般公開日には多くの見学者が来館します。また、一般市民の健診場所にもなっています。
委員からは、不具合がどのように発覚したのか、高校生も含めた避難訓練は行っているのかとの質疑がありました。
執行部からは、消防設備は年2回点検しており、点検で徐々に不調が確認されていたこと、消防の立ち入り検査の際に全く鳴らないことが判明したため、今回の修繕となったとの答弁がありました。
また、これまで消防計画に長浜高校水族館部の活動が入っていなかったため、今後は消防計画に水族館部の活動を入れ、避難訓練も実施する形になるとの説明がありました。
【後期高齢者医療特別会計について】
後期高齢者医療特別会計補正予算では、人事異動に伴う人件費調整のほか、前年度に実施した子ども・子育て支援金の賦課徴収に必要なシステム改修業務に係る補助金精算に伴う返還金などが説明されました。
この議案については、反対討論がありました。
反対討論では、子ども・子育て支援金が新たに上乗せされていることについて、本来、医療保険に上乗せされる性格のものではなく、実質的な負担増であるとの意見が示されました。
採決の結果、挙手多数で原案のとおり可決されました。
【介護保険特別会計について】
介護保険特別会計補正予算では、令和8年8月施行の介護保険法改正に対応するための介護保険システム改修業務委託料、人事異動に伴う人件費調整などが説明されました。
委員からは、介護給付費準備基金の残高や基金の使い方について質疑がありました。
執行部からは、現時点の基金残高は約3億7,674万円であり、令和6年度、令和7年度と2年連続で約1億3,000万円ずつ取り崩しているとの説明がありました。
また、介護サービスの利用料は国の制度で定まっており、市独自に変更することはできないものの、基金は65歳以上の第1号被保険者の保険料を算定する際に活用できるとの答弁がありました。
3年に1度の介護保険事業計画の見直し時に、3年間の給付費を見込み、そのうち第1号被保険者が負担する分を算定する。その際に基金を取り崩すことで、保険料の上昇を抑制したり、軽減したりすることができるとの説明でした。
【病院事業会計について】
病院事業会計補正予算では、主に病院事業職員の異動や新陳代謝等による給与手当の調整が説明されました。
委員からは、医療現場で手袋などの物資不足が言われている中、医療機器や物資不足、物価高騰などをどのように見込んでいるのかとの質疑がありました。
執行部からは、今回の補正は基本的に人件費の補正であるとの説明がありました。
医療物資については、現在、薬や資材等の在庫量は2、3か月程度あり、例年と大きく変わらないとのことでした。一部で値上げや入荷数が少ない事象はあるものの、当面は必要量に見合う分を発注し、今後の状況を注視するとの答弁でした。
手袋については、国が備蓄していた新型コロナ関係の手袋について配布要望調査があり、要望した結果、今年3月に約12万枚の無償配布を受けたとのことでした。
物価高騰については、黒いごみ袋などで前年度比約54%の値上がりがあったとの説明があり、使用を抑えるなどして対応しているとの答弁でした。
また、現時点で不足している物資はないとの確認もありました。
【補聴器購入費補助について】
厚生部門のその他事項では、高齢者の補聴器購入費補助について質疑がありました。
執行部からは、予算は措置済みであり、補聴器を使用することによって効果が見込める方を対象とするとの説明がありました。
申請者には医師の意見書を提出してもらい、補聴器の有効性を確認できた方を補助対象とするとのことです。
市内の耳鼻咽喉科の専門医・認定医に制度周知と意見書作成の依頼を行い、準備が整い次第、7月中には制度を開始できる見込みとの答弁でした。
【手話言語条例について】
手話言語条例についても質疑がありました。
委員からは、令和5年3月議会で前向きに検討するとの答弁があったこと、県内他市町でも条例化が進んでいることを踏まえ、大洲市として今後どう進めるのかとの質問がありました。
執行部からは、令和5年3月定例会で質問があり、その際には国の手話言語法案の動向や県内自治体の状況、全国手話言語市区長会議で情報収集に努めると答弁していたとの説明がありました。
その後、市長が令和6年度・7年度に全国手話言語市区長会の副会長に就任し、全国自治体における手話施策や条例制定の意義・効果について見識を深める機会があったとのことです。
今後については、令和9年度に障がい者・障がい児関係の新たな計画を策定する予定であり、その検討のための協議の場で、条例の必要性や意義を議論し、実効性を伴う施策として位置づけたうえで、条例制定に向けて検討を進めたいとの答弁がありました。
私は、八幡浜市では議員提案により条例化したと記憶していることを踏まえ、あまり遅い場合は、議会側で取り組むことも考えられると述べました。
【私からの質疑③ 喜多児童クラブ周辺の送迎時渋滞について】
私は、喜多小学校の喜多児童クラブ周辺における送迎時の渋滞についても質問しました。
以前、喜多児童クラブ周辺では、児童の動線と車の動線が重なり、出入りの安全確認が難しい箇所がありました。この点については、これまで議会でも取り上げ、昨年末にカーブミラーが設置され、見通しは改善されています。
しかし、最近は以前にも増して送迎時間帯の車の台数が多くなっており、特に水泳授業や記録会の時期と重なると、7台、8台程度の車が並ぶこともあります。
そこで、現状を把握しているのか確認しました。
執行部からは、カーブミラー設置後、出入りがしやすくなったとの意見は受けているものの、水泳練習が始まって混雑している状況については、まだ把握していなかったとの答弁がありました。
早急に確認したいとのことでした。
通学・放課後児童クラブの送迎時の安全は、保護者にとっても学校にとっても大切な課題です。現場の変化を見逃さず、必要な対応につなげていきたいと思います。
【私からの質疑④ アフタースクール大洲の建物不具合について】
最後に、アフタースクール大洲の建物不具合について質問しました。
アフタースクール大洲は、令和3年度に旧幼稚園を改修し、大洲児童クラブなどが利用している施設です。
先般、建物に不具合があるのではないかとの話を聞いていたため、現状把握を確認しました。
執行部からは、都市整備課の建築士も同行して確認したところ、床に傾きが生じている可能性があるとの確認結果だったと説明がありました。
今後、設計業者に対応策を相談する予定であり、限られた予算の中で、緊急性と安全確保を第一に検討していくとの答弁でした。
この件について、私は少し強く指摘しました。
現場の職員は床の傾きを知っていたにもかかわらず、その情報が担当課に十分上がっていなかったようです。
一方で、外部では「市にお金がないから直してくれない」といった話になっていたようで、これは市民から見れば市政への不信感につながりかねません。
施設に不具合があるなら、速やかに担当課へ情報を上げる。そして担当、課長、部長へと共有し、必要な調査や予算措置につなげる。これは行政組織として当然必要なことです。
私は、ガバナンスの面で問題があること、現場との風通しのよいコミュニケーションが必要であることを指摘しました。
執行部からは、指摘のとおりであり、児童クラブ側から話があったものの、十分に伝わっていなかった部分があるとの答弁がありました。また、担当が毎年変わっていることもあり、引き継ぎや把握が十分でなかったとの説明もありました。
今後は、今回の指摘内容も含め、全体的に指導していくとのことでした。
私は、市民から誤解を招かないよう、現場とのコミュニケーションをしっかり取ってほしいと要望しました。
【子育て支援に関する政策提言・条例制定の検討について】
委員会の最後に、子育て支援に関する政策提言や条例制定について、今後の検討資料が事務局から示されました。
この件は、前回3月の厚生文教委員会で提案があったものです。今回は、私が委員長として参考資料を作成し、全国の条例事例、それぞれの特色、大洲市で検討する場合の方向性などを整理しました。
私からは、今回の資料はあくまでたたき台であり、条例化ありきではないことを説明しました。
条例がよいのか、決議がよいのか、政策提言という形がよいのか。さまざまな選択肢があります。
大切なのは、子ども・子育て支援について、厚生文教委員会としてどのような政策提言ができるのかを、委員の皆さんと一緒に考えることです。
次回9月の厚生文教委員会で、改めて意見交換を行う予定です。
【おわりに】
今回の厚生文教委員会では、学校給食、部活動の地域展開、不登校支援、子どもの予防接種、介護保険、医療体制、児童クラブの安全対策など、市民生活に直結する課題について幅広く議論しました。
委員長としては、限られた時間の中でも、各委員が質疑しやすく、執行部から具体的な答弁を引き出せるよう努めました。
また、私自身も、しろしたテラスの通信環境、文化部活動の地域展開、子どものインフルエンザ予防接種助成、喜多児童クラブ周辺の安全対策、アフタースクール大洲の施設管理などについて質問しました。
議会の役割は、問題を指摘するだけではありません。
現場で起きている課題を拾い上げ、行政に確認し、必要な改善につなげていくこと。そして、その過程を市民の皆さまに分かりやすく報告することも大切な役割だと考えています。
今後も、厚生文教委員長として、子ども、教育、福祉、医療、地域の安心に関わる課題に、丁寧に取り組んでまいります。
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