第21回愛媛県市議会議員研修会2007年08月07日

 第21回愛媛県市議会議員研修会に参加のため、松山市役所へ。講師は明治大学副学長・大学院長の中邨章氏、演題は「変わる地方行政・変える地方議会」です。以下は講演メモ

・住民は政府も政治も信用しない。しかし行政には頼りたい。ワガママではあるが、自治体のサービスに頼らざるを得ない切羽詰った現状がある。

・日本の地方自治体行政レベルの高さは世界一。カトリーナ被災地では1年経っても放置されてる場所も。日本だと3ヶ月もあれば復旧する。広報誌が存在するのも日本ぐらい。しかし、地方政治はまだまだ世界に学ぶべきである。

・東京都練馬区の広報誌では、「練馬の未来」と題して区長のあいさつが載っている。76歳の区長に未来を語って欲しくない。

・日本の地方制度は強い首長制が特徴。「二元代表制」の表現は誤りであり、実態は非常に首長が強い。

・「陳情・請願」は明治22年の憲法発布でできた用語。「住民要望・住民請求」に用語を改めるべき。

・住民投票制度の活用。時限を決め一定期間経過後、議会が再評価することと、問題発生時の修正権を議会に与えることの2点を付け加えるべき。

・キーワードは地域力。ネットワークの再構築こそ議員の努めである。

・NPM(New Public Management)とは行政に競争原理を持ち込むこと。郵政民営化や国立大の独立行政法人化などはこの流れに沿っている。

・NPWに積極的に取り組んだのはニュージーランドであるが、その結果先進諸国で最も格差のある国になってしまった。


 と、盛りだくさんの約2時間でした。行政になんでもかんでも競争原理を持ち込むと、妙なことになってしまうのはニュージーランドでも実証済み。「新しい自民党」の政策では、地方経済に未来が見えないことを改めて実感します。