令和初の大洲市議会定例会も全日程を終え、閉会しました。最終日は議員提案による「大洲市おもてなし条例」も可決しましたが、私も初めての提案理由説明を行っています。以下、全文と成立した条例を掲載します。
「それでは、委員会提出第4号議案「大洲市おもてなし条例の制定」について、ご説明を申し上げます。本条例案作成の経緯といたしましては、平成30年6月28日に開催された産業建設委員会におきまして、「市民によるおもてなしの条例を制定してはどうか」と委員より提案があり、全会一致による賛同を受け、条例案作成に向けての検討を行ってまいりました。
平成30年9月定例会の産業建設委員会において、作成した条例素案にて協議をし、その後は、関係理事者とも調整を行い、委員会で協議を重ね、全員協議会にもお示ししながら、意見聴取に努めた上で、最終的な条例案を作成いたしました。
本年4月8日から5月7日まではパブリックコメントを実施し、本年6月の全員協議会において条例案の最終報告をさせていただいたところであります。
ご承知のとおり、少子高齢化、人口減少が急速に進展する中、地域の活力をどのように維持していくのか、これは当市にとりまして大きな課題であります。
そうした中、本条例が制定されることは、当市が目指す「交流人口の拡大」に大きく寄与するものであります。私たちの誇り高き財産であり魅力でもある、大洲市の豊かな自然と長い歴史や個性ある文化を、私たち一人一人が地域の資源として認識し、大洲市を訪れる人を「おもてなしの心」でお迎えしていく。このことは相手の方を幸せにするともに、私たちの幸せにもつながります。本条例の定義する「おもてなし」を通じて、私たちの住む大洲市を、さらに魅力のあふれるまち、何度でも訪れたいと思われるまちにしていくことを目指すものであります。
本条例は、市、議会及び市民が一体となって、誇ることのできる魅力あふれる大洲市の実現を決意するものであり、大きな意義があるものと確信するものであります。
議員各位におかれましては、1年間にわたる議論の流れと提案の趣旨をご理解いただきまして、ご賛同賜りますことを心よりお願いいたしまして、提案理由の説明とさせていただきます。ありがとうございました。」
大洲市おもてなし条例
私たちの住む大洲市は、緑濃い美しい山々、大いなる流れの肱川、穏やかな瀬戸の海など、自然につつまれた安らぎとふれあいのあるまちです。
大洲という地名の由来は、大変古い時代まで遡ります。安土桃山時代から江戸時代初期にかけて近世城郭として整備された大洲城を中心とし、江戸時代には大洲藩6万石の城下町として栄えました。激動の幕末を経て、明治以降は、肱川の水運を活用した養蚕業、製糸業、精蝋業等が興隆を極め、近代日本の発展に大いに貢献しました。また、近江聖人中江藤樹先生以来の好学の風土は、多種多様な人材を輩出し、青色発光ダイオードの発明など世界の文明に大きな影響を与えています。
この豊かな自然と長い歴史や個性ある文化は、私たちの誇り高き財産であり、大洲市の魅力です。私たち一人一人が地域の資源を認識し、大洲市を訪れる人を「おもてなしの心」を持ってお迎えすることは、訪れた方を幸せにし、私たちの幸せにもつながります。それにより私たちの住む大洲市を、更に魅力あふれるまち、何度でも訪れたいと思われるまちにしていくことを目指します。
ここに私たちは、市、議会、市民及び団体が一体となって、誇ることのできる魅力あふれる大洲市を実現することを決意し、この条例を定めます。
(目的)
第1条 この条例は、本市におけるおもてなしの基本理念を定め、市、議会、市民及び団体の役割を明らかにすることにより、おもてなしの心を育む地域づくりを協働して推進し、心地良い感動を与え、何度も訪れたくなる魅力あふれる大洲市を実現することを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において「おもてなし」とは、郷土への誇りと愛着を持って、心からの笑顔、挨拶、声掛け等により大洲市を訪れる人(以下「来訪者」という。)を温かく迎え、心を込めて接し、思いやりを持って振る舞うことで、来訪者が「訪れてよかった、また行きたい」と思えるようにすることをいいます。
2 この条例において「市民」とは、市内に在住し、在勤し、又は在学する個人をいいます。
3 この条例において「団体」とは、市内に事務所又は事業所を有する法人その他の団体をいいます。
(基本理念)
第3条 おもてなしは、市、議会、市民及び団体が、地域の自然、歴史、文化等に対し、理解と関心を深め、誇りと愛着を持って推進します。
2 おもてなしは、市、議会、市民及び団体の協働で推進します。
3 おもてなしの推進に当たっては、年齢、性別、国籍、障がいの有無等にかかわらず、誰もが心地よい感動が得られるよう努めます。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、おもてなしに関する施策(以下「施策」という。)を講じ、これを総合的に実施します。
2 市は、市民及び団体によるおもてなしの推進のための自主的な取組の促進を図るため、市民及び団体に対し、相互の連携の推進、情報の提供、啓発活動その他の必要な支援を行います。
3 市は、施策の実施に当たっては、その効果的な実施を図るため、国、県及び他の地方公共団体並びに関係団体との連携を図ります。
(議会の役割)
第5条 議会は、基本理念にのっとり、おもてなしの心を育む地域づくりの発展のため、市民及び団体の意思並びに来訪者の意見を的確に把握し、施策の積極的な立案及び提言に努めます。
(市民の役割)
第6条 市民は、自らがおもてなしのまちづくり推進の担い手であることを心掛け、来訪者を温かく迎えるとともに、地域、職場、学校等あらゆる場でおもてなしに努めるものとします。
2 市民は、基本理念にのっとり、おもてなしに関する取組に協力するよう努めるものとします。
(団体の役割)
第7条 団体は、自らがおもてなしのまちづくり推進の担い手であることを心掛け、来訪者を温かく迎えるとともに、それぞれの事業活動において、おもてなし活動の実践に努めるものとします。
2 団体は、基本理念にのっとり、市が実施する施策に協力し、市、議会、市民及び団体相互で協働しておもてなし活動を推進するとともに、市の魅力を発信するよう努めるものとします。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
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