逢坂誠二氏講演会2005年11月23日

 研修会の2日目は「これからの自治体経営」と題した逢坂誠二氏の講演です。逢坂氏は北海道の前ニセコ町長、現衆院議員であり、実は私以前から尊敬している首長の一人でした。講演メモは以下の通り。

・素人の視線を持ちつつ、専門性を如何に磨いていくか。専門性だけだと本質がわからなくなってしまう。

・11年間のニセコ町長時代、政党や党派には是々非々で対応した。

・9月総選挙、北海道では、民主党の8勝4敗。小泉改革は北海道に多い条件不利地や弱者に言及されておらず、その結果、民主党の主張が届いたのではないか。

・「彼(小泉首相)のやっていることは政治ではない」という中曽根元首相の批判は非常に重要。

・税金には対称性が無い。1万円を払って10万円のサービスを受け取ることもあるし、その逆もある。税とは元来不公平なものであり、そのために政治権力は存在している。税金で皆さんの夢をどう実現するのか、ということが我々の仕事である。

・貨幣制度の合理性ではない、非合理性が税の本質。

・どんなに地域で頑張っても、国政の場で地域の現場とかけはなれた決定が続いていくことに徒労感を感じていた。その典型が、現場を無視した暴論である現在の三位一体改革である。

・市町村合併で全国の自治体は翻弄されている。ところが、平成7年に合併特例法が成立したとき、ほとんどの国会議員が関心を持っていなかった。つまり、現場を無視していた。

・中央集権で創造的な仕事はできない。地域が自分たちの周りを良くするということが国家を強くする。

・自治を大事にすることが国家全体につながる。「民主主義の源泉は自治」という言葉の所以。

・自治の範囲が狭いと、リアリティ、身近さを感じる。これ無しに天下国家をいくら語っても意味はない。

・国会>県議>市議 は間違っている。外野手と内野手の違いのように役割が異なるのである。

・政策や物事を考える時は、時間軸を長く。

・人口が少ない田舎を嘆かない。小さいことのメリットもある。現状を前向きに、プラス面をどう捉えるか。「どうせダメ」は禁物。現状を肯定的に考えていくことが大事。

 などなど、いやあ、逢坂氏サイコーですわ。この講演聴けただけでも高松まで来た甲斐がありました。特に最後の一言は、市町村合併で急速に活力を失いつつある周辺部へのエールとしたいです。