8/4(火)大洲市議会議員政治倫理条例制定に向けた協議(第3回)2026年08月04日


20260804自由倶楽部
大洲市議会議員政治倫理条例制定に向けた協議(第3回)

条例の核となる「政治倫理基準」の検討へ

8月4日(火)大洲市議会議会運営委員会が開催され、議員政治倫理条例の制定に向けた第3回目の協議が行われました。

自由クラブからは、議会運営委員会の委員である後藤ともなり議員が出席。私と児玉康比古議員も委員外議員として傍聴し、協議の内容を確認しました。

これまでの協議では、条例の基本的な構成や請負、補助金交付団体との関係などについて検討が進められてきました。

今回は、条例の中でも核となる「政治倫理基準」、つまり議員として守るべき基本的なルールや、どのような行為を禁止するのかについて、本格的な検討が行われました。

 

全国8自治体の条例を比較

今回、事務局から全国8自治体の政治倫理条例を比較した資料が示されました。

自治体によって条文の表現や構成は異なりますが、共通して規定されているものとして、議員としての品位の保持、金品授受や利益供与に関する規定、契約などへの不当な関与の禁止、職員への不当な働きかけや人事介入の禁止などがあります。

そのほか、ハラスメントの禁止、暴力団等との関係遮断、議会や議員の信用を損なう行為の禁止、疑惑を持たれた場合の説明責任など、自治体ごとに様々な規定が設けられています。

 

まず「何を規定するのか」を整理

協議では、各自治体の条例を比較すると、表現は違っていても同じ趣旨の規定が複数あることから、まず項目を整理する必要があるとの意見が出されました。

各自治体の条文をそのまま大洲市議会に当てはめるのではなく、

「大洲市議会として何を政治倫理基準に盛り込むのか」

を決め、そのうえで他自治体の条文を参考にしながら、大洲市議会にふさわしい表現にしていくという考え方です。

また、条文だけでは具体的にどのような行為を想定しているのか分かりにくい場合もあります。他自治体の逐条解説なども参考にしながら、規定の目的や対象について認識を共有したうえで議論する必要性も指摘されました。

 

市民クラブから独自の条例案

今回、市民クラブからは、独自に作成している政治倫理条例案について説明がありました。

目的、議員の責務、政治倫理基準などを含め、全体を14条程度に整理しているとのことです。

また、請負契約や指定管理者に関する事項については、政治倫理基準の一項目ではなく、独立した条文として整理する考えが示されました。

具体的な条例案を叩き台として提示しながら、今後の議論を進めていくという提案です。

 

自由クラブからも議論の進め方を提案

自由クラブからは、各会派がそれぞれ考え方や案を持ち寄り、それを比較しながら議論してはどうかとの提案がありました。

多くの項目を一つずつ検討するだけでは議論が複雑になりやすいため、まず、

「何について規定するのか」
「どのような行為を禁止するのか」

を整理し、その後、具体的な条文に落とし込んでいくという考え方です。

自由クラブとしても、これまで独自の素案を作成して議論に臨んできました。他会派から示された案も比較しながら検討することは、より良い条例にしていくうえで有意義だと考えています。

 

請負は独立した条文で整理する方向

重要な論点の一つが、議員と市との請負関係です。

地方自治法第92条の2には、地方議会議員と自治体との請負等について規定があります。

これまでの協議では、請負については政治倫理基準の一項目ではなく、独立した条文として整理する方向が確認されています。

議員と市との請負関係は、利益相反を防ぐうえでも重要な論点です。法律ですでに規定されている事項と政治倫理条例との関係をどう整理し、市民にも分かりやすい内容にするかが今後のポイントになります。

 

難しい「補助金交付団体の長」の問題

一方、引き続き検討が必要となっているのが、議員が補助金交付団体などの代表者を務めることを、どこまで制限するのかという問題です。

地域には自治会や商工関係団体をはじめ、市から補助を受けながら活動している団体が数多くあります。

議員がそうした団体の代表者となり、その立場から補助金や行政上の利益に関与すれば、利益相反を疑われる可能性があります。一方、一律に禁止すれば地域活動の実情との間に問題が生じる可能性もあります。

どの団体、どの役職まで対象とするのか。条例の実効性と地域活動の実情の双方を考えながら、慎重な線引きが必要です。

 

議員活動をどこまで規制するのか

今回の協議で重要だと感じたのが、政治倫理条例と通常の議員活動との線引きです。

市民から、

「道路を直してほしい」
「制度を改善してほしい」
「行政に事情を伝えてほしい」

といった相談や要望を受け、それを行政につなぐことは議員の重要な仕事です。

行政への働きかけを広く禁止してしまえば、本来の議員活動まで萎縮させることになりかねません。

一方、議員としての地位や影響力を使って特定の個人や団体を不当に優遇させたり、職員に不当な圧力を加えたりする行為については、明確なルールが必要です。

正当な議員活動と、不当な口利きや利益誘導をどう区別するのか、

ここは政治倫理条例を実際に機能させるための重要なポイントだと考えます。

 

法律や既存の議会ルールとの整合性も

協議では、政治倫理条例だけを独立して考えるのではなく、地方自治法、議会の会議規則、懲罰制度などとの整合性を考える必要があるとの意見も出されました。

すでに法律で規定されている事項を条例でどこまで具体化するのか。また、細かな考え方や具体的な運用については、逐条解説などで補う方法も検討されています。

市民が読んでも分かりやすく、実際の運用でも迷わない条例にすることが重要です。

 

事務局も政治倫理基準案を作成へ

今回の協議を受け、事務局でも政治倫理基準の案を作成し、各委員に示すことになりました。

それぞれの条文について「何を規制・禁止するための規定なのか」が分かるよう整理し、次回の委員会で意見を出し合いながら修正していく方向です。

また、市職員を対象としたアンケートも実施されており、8月14日が締め切りとなっています。関係者との意見交換も予定されています。

次回の協議は8月下旬に予定されており、8月25日に予定されている政治倫理に関する講演についても、今後の検討材料としていくことになりました。

 

「条例を作ること」をゴールにしない

政治倫理条例は、禁止事項を数多く並べたり、厳しい表現にしたりすれば、それだけで良い条例になるわけではありません。

議員本来の活動を確保しながら、不当な働きかけや利益誘導、金品の授受などについて明確な線を引く必要があります。

また、条例に違反する疑いが生じた場合に、実際に調査し、説明責任を果たせる仕組みがなければ、条例を制定しただけになってしまいます。

今回の条例制定のきっかけとなった出来事を一過性のものとせず、市民から見ても分かりやすく、議員自身にとっても判断基準となり、いざという時には実際に機能する条例にしなければなりません。

自由クラブとしても、これまで作成してきた独自素案をもとに、他会派や事務局から示される案についても十分に検討しながら、「条例を作った」ということだけで終わらない、実効性のある政治倫理条例の制定に向けて議論を続けていきます。